Annihilator(アナイアレイター) Metal 







通算11枚目のオリジナルアルバム。まずはアルバムタイトルからして気合が入っている。そして内容の充実度もここ数作品の中では群を抜いている。アナイアレイターに影響を受けた若手のミュージシャンがほぼ全曲に参加しており、それがいい意味で化学反応を起こしているのが充実の原因であろう。

個人的には前作の「スキッツォ・デラックス」「オール・フォー・ユー」はリフが食傷気味で全曲聴くには少々辛い感じだったのが、今回は過去の曲まんまに近い曲があっても前述のゲストとの競演により、まったく気にならないし、そのエネルギーに圧倒される。

特に印象に残ったのは2曲目の「Couple Suicide」と3曲目の「Army Of One」そして日本盤のボーナストラックであるエキサイターのカバー「Heavey Metal Maniac」。この充実したアルバムを引っさげてそろそろ日本公演もおこなってほしいものだ。

Sunset 



前回紹介したRendezvous Lounge, Vol. 2に「El Alba」を提供していたアーティストCAMIELのファーストアルバム。まず、何ともジャケットが素敵。アルバムタイトルのSunsetのイメージどおり、街並がやがて暗闇に包まれていくであろうほんの一瞬前をうまく捉えた美しい写真だ。

このCAMIELというアーティスト。インフォメーションが少ないので詳細がよくわからないのだが、所属するレコード会社のWEBサイトによると1972年生まれのCAMIELは10歳でアコースティックギターを始めた後、エレクトロニックミュージックやジャズに傾倒していく。その後、90年代に入ってオランダを拠点とし、コンピューターゲームやCMの作曲を手がけるようになり、2000年に入ってソロアーティストとしてのCDデビューを果たす。

アルバム全体を聞いてみるとラウンジというよりはsmooth jazz色が強い。非常に興味深いのは、この手のジャンルのアルバムは良くも悪くも聞き流せてしまうのだが、このアルバムは耳を傾ければハッとするようなフレーズやテクニックが随所に散りばめられているのだ。

smooth jazz色が強いとはいったものの、女性ボーカルを迎えた曲ではクールでありながらソウルを感じる部分があったり非常にジャンル分けの難しい無国籍でノンジャンルな音楽という印象だ。曲もバラエティには富んでいるものの、ギリギリのところでアルバムの統一感を保っているため、散漫な感じはまったくない。

個人的に特に印象に残ったのは2曲目の「I'M READY」、4曲目の「YOU CAN STAY」、5曲目の「MAYBE」、8曲目の「I WOULD」あたり。その他の曲もまったく外れがなく、アルバム1枚通しで聞ける。

CAMIELは既に2枚目のアルバムも出していて、そちらも素晴らしい内容だった。それは後日また紹介したいと思う。

Rendezvous Lounge, Vol. 2 



ipodを購入してからラウンジ系をよく聞くようになった。ひと昔前にその手の音楽がもてはやされていた時にはまったく興味がなかったラウンジ。そもそもラウンジというジャンルの曖昧さやイメージにあまり魅力を感じなかったのだ。

それがたまたまamazonを見ていて、何枚かアルバムを持っているJAZZ MASTERSの新譜The Jazzmasters Vが出ていることを知った。JAZZ MASTERSは「19」で知られるイギリスのアーティスト、ポールハードキャッスルのプロジェクト。彼のもうひとつのプロジェクトKISS THE SKYとこのJAZZ MASTERSは日本でも一時期、都会の洗練された世界を演出するBGMとしてもてはやされた。

そんなJAZZ MASTERSの新譜を購入したときに、連鎖的に目に入って来たamazonのリスト。このリストが曲者で、利用者の閲覧したジャンルに応じて嗜好を判断し、興味のありそうなアーティストを自動的に表示する。いわばそのリストの罠にはまったわけだ。

リストに掲載されていたのは同じsmooth jazz系のアーティストだったが、その中にいくつかラウンジ系のコンピレーション盤の紹介も含まれていた。smooth jazz系のアーティストもそうだが、ラウンジ系のアルバムのジャケットは思わずジャケ買い(アーティストを知らなくてもジャケットで買ってしまう)するようなものが多い気がする。

その中で最初に購入したのがRendezvous Lounge, Vol. 2だった。ジャケットに惹かれつつ、視聴をしてみるとこれがなかなかいい。「1」もあったのだが「2」の方が個人的には心地良い曲が多かった。

ジャケット写真のような目の前に広がる大陸的な広がりを見せるミディアムテンポの曲に始まり、アルバムはどんどんディープな世界に入っていく。とはいえ、聞いていて疲れることがないのがラウンジのいいところだ。元々、ラウンジの定義はホテルや空港のラウンジで流れているような、会話を邪魔しない音楽とのこと。聞く人にとって心地の良い音楽の総称がラウンジなのではないかと思う。

このアルバムは全13曲収録されていてどの曲も素晴らしいのだが、個人的には5曲目の「Sand」と8曲目の「El Alba」が特に耳に残った。「Sand」は「BUDDHA BAR」という別のコンピレーション盤にも収められている。曲の雰囲気はまさに東南アジアという感じで非常にオリエンタルな、日本人の心を擽るどこか懐かしい雰囲気をかもしだしている。

「El Alba」はCamielというアーティストの曲。といってもまったく知らなかったのだが、この曲はどことなくスパニッシュ的で、それでいて心が和むようなアコースティックな雰囲気の曲。

全体的にミディアム調のゆったりとした曲が多いが、機械的な無機質さはまったくなく、心の琴線に触れるような耳に心地よい1枚になっている。休みの日に気分をリセットするにはもってこいのアルバム。